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グレース王妃が見た日本庭園

モナコ公国
「地中海の宝石」とも形容され、観光地として有名な南フランスのモナコ公国に、「欧州初の、本格的な日本庭園」と評される日本庭園があります。弊社は、この日本庭園の設計、施工を承りました。
池泉廻遊式庭園
▲池泉廻遊式庭園

様式は、池泉廻遊式(一部枯山水、茶室)と呼ばれるもので、滝石組、流れ、中島(鶴・亀島)、護岸、洲浜、池などを取り入れました。
また、日本建築として茶室、休憩所、東屋、灯籠、数寄屋門、太鼓橋などが設けられています。

依頼をいただいた経緯

モナコ公国の位置
モナコ公国と言えば、82年9月に悲劇の自動車事故で急死された故グレース王妃(元米女優グレース・ケリー)で知られていますが、王妃はかねてから「モナコに日本庭園が欲しい。」と言うご希望をお持ちだったのです。そこで、日本が大変好きでいらっしゃった今は亡きグレース王妃を偲ばれて、レーニエ三世公は日本庭園をお造りになることを計画されました。
モナコ公国全体地図
1990年、この遺志を実現するため、レーニエ大公の命でモナコ公国フォトリエ建設大臣が『国際花と緑の博覧会』をご訪問なさいました。
その際、庭園コンテスト部門で名誉賞を受けた弊社の出展作品をご覧になったのが縁で、モナコ政府から弊社が日本庭園の設計、施工を承ることとなったのです。
当時、弊社にとって海外での日本庭園造りはもちろん初めて。しかも、日本から遠く離れたヨーロッパと言うこともあり、当初は非常に迷いました。
しかし、大公から直々のお声掛かりであり、「すべての要望を受け入れる。」と言うお墨付きもあって、それまで培った全ての経験を生かして海外での
「池泉廻遊式庭園」 造りに取り組むことにしました。

プロジェクトの概要

モナコの町並み
モナコの風景
▲下は駐車場、周りは海と高層マンション群。有名なF1レースが行われるモンテカルロも近い。
国土の小さいモナコにおいて、約8,000平方メートル規模の庭園用に確保された場所は、何と、地中海に面した海岸を埋め立てた地下駐車場の上。
すぐ下を、「グレース王妃通り」が走っています。南側が海岸で、あとは周りを高層マンションが取り囲むと言う、非常に特殊な立地条件でした。

そもそも、日本庭園は「借景(しゃっけい)」と呼ばれる、自然物や人工物を、庭の構成要素の一部として使うことで庭に趣を出すことが大切なのですが、ここだけは周囲の景色を隠すことに大変苦労しました。
公国側の要請でいろいろな様式を取り入れ、ヨーロッパの周りの景色に合わせ、城のような仕上がりをイメージしながらも、まず日本人でも感動するようなものを作るように心がけました。

建設計画の概要

建設計画
・高層ビルの立ち並ぶ市街地で、地中海沿いを埋め立てた新地。敷地面積は約8,000平方メートル。
・地下駐車場の上に庭園を計画するもので、屋上は地上の路面と同じ高さ。
・国際サロンセンタービルに隣接する庭園で、ビル完成後は庭園と一体になる。

庭園局の希望

庭園の様式は、滝口や池泉を取り入れた「池泉回遊式」に。さらに、石庭、八ツ橋なども設置。和風建築物として、茶室、休憩所、反橋、門、塀を設置。
また、エレベーターも和風に。

問題点と解決策

モナコ公国の風景
1)     駐車場の屋根が、庭園を十分に支えるだけの支持力があるか?   
→1平方メートル当たり5.3トンとする。滝口など一部については1平方メートル当たり38.5トンとする。

2)     樹木の生育に影響を与える、塩害や土壌の問題をどうするか?   
→風は少ないが、南仏特有の風が3月から5月にかけて年一度吹きすさぶ。そのために塩分を洗い流す設備を設置する。

3)     高温小湿と言う気象条件をどうするか?   
→スプリンクラーなどの設備を施し、十分な散水などを行う。

現地での材料調達と職人指導

コルシカの石が日本庭園に
日本庭園とは言っても、すべての資材をはるばる日本から持ち込んだ訳ではありません。

竹・灯籠など石造物、茶室等の建築資材だけは日本から運びましたが、赤松、八重桜、ツツジなど約4,000本の樹木はイタリア・フランス・ベルギーなど欧州各地から、石材約450トンはコルシカ島から、それぞれ、日本庭園にふさわしいものを厳選して取り寄せました。
「仕事を通じて会話」 できた職人気質
日本から乗り込んだ職人は大工らはわずか数人。
あとは現地で50人ほど集め、日本人スタッフが身ぶり、手ぶりを交えて指導しました。

もちろん、はじめのうちは言葉や文化、段取りの違いで戸惑うことばかりでした。
しかし、言葉は通じなくても、そこは同じ職人同士、いつしかハートの付き合いで自然と分かり合えるようになり、作業を理解してもらうまでの時間は、そう長くは掛かりませんでした。

モナコ公国の日本庭園完成

レーニエ大公と、長女のカロリーヌ王女を お迎えして
1994年5月7日、足かけ4年の歳月を掛けて、モナコ公国の日本庭園は開園にこぎ着けました。
開園式には、レーニエ大公と長女のカロリーヌ王女もご出席いただきました。
「すてきな庭ですね。」、「知っています。これが茶室ですね。」
などとお声をお掛けいただきながら、グレース王妃を忍んでいらっしゃるようでした。
グレース王妃を偲んで、「ジャルダン・ド・グレース(邦名・雅園)」と名付けられた茶室の一角。
モナコ政府からは「ヨーロッパ最大級の日本庭園」との賛辞をいただき、誠に光栄に思っております。
また、観光客にも解放され、モナコの新しい観光名所になっているようです。
茶道や華道、香道などと同じように、日本庭園を通じて日本の伝統美の素晴らしさを世界の人々に伝えることができたことを、非常に嬉しく思っています。
この、海外での日本庭園の施工は本当に名誉であり、やりがいのある仕事でした。しかし、これで終わった訳ではありません。
庭園は生きものですから、造った後の管理が肝心です。
そのため、今も年2~3回モナコに通って維持管理並びに指導を行っています。

もし、モナコ公国を訪れる機会がおありなら、皆さまもぜひこの日本庭園にお立ち寄りください。
旅先で、日本の伝統美を再発見していただけることと思います。
モナコ日本庭園1
モナコ日本庭園2
モナコ日本庭園3
日本庭園モナコ看板
施設名
Jardin japonais de Monaco
住所
Av. Princesse-Grace 98000 Monaco
電話番号
(04) 93 15 80 00 (都市計画局庭園部門)
モナコ日本庭園記念碑
規 模
約8,000平方メートル
条 件
屋上庭園(地下駐車場)
総工費
約3,100万フラン(建設当時のレートで換算して約7億円)
様 式
池泉廻遊式(一部枯山水、茶庭)
・滝石組、流れ、中島、(鶴・亀島)、護岸、洲浜、等
・植栽
・日本建築:茶室、休憩所、東屋、冠木門、等
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